花タデ

          苛立つような暑さは まだ残っている
          それでも空は少しずつ
          透明さを増し
          ハゼの梢に秋の兆しが
          百日紅の色も少しなごみ
          ひぐらしの声がもの悲しくひびく

          遠くに浮かぶ夏雲の残り
          花タデの先に
          揺れる秋を見た







        



           九月

          ツクツク法師の声に九月が来た
          紫式部の実に九月が来た
          コスモスゆれて九月が来た

          稲穂も重く垂れさがり
          照りつける陽を防いでいたハゼの木にも
          青い柚子の実にも 秋が来た

          空の色さえ透きとおり
          待ちこがれていた秋が
          そこまで来ている







        




                    稲穂が重く垂れると 風の盆がはじまります

                            昔の面影をのこす風情ある街並み
                            初秋の風が八尾の坂道を通り抜け
                            坂は人・人で埋め尽くされる
                            哀愁をおびた故宮と三味の音色がきこえます

                            ぼんぼりのほのかな灯りの中を
                            深く編み笠をかぶった乙女たちの妖艶な踊りが続きます
                            男おどりが粋です!!

                            人々は夜の更けるのも忘れ踊りあかします


       




           コスモス T

         とりどりの色を重ねて ゆ〜らゆら
         優しい風にゆれながら
         風の中で夢を見る

         秋の訪れを知らせるかのように咲いた
         薄紅色の花
         仲間たちと寄り添って
         今日も風に揺れている








        




                           コスモス U

                          白いコスモス揺れたなら 風の中に笑みまじり
                          紅いコスモス揺れたなら 風の中に光輝き
                          ピンクのコスモス揺れたなら 風の中に愛しさ満ちる